KLON CENTAUR

小さい頃から自他共に認める歌好きの私が、ちゃんと音楽を始めようと思ったのは、

18歳の頃だったと思う。

好きなゲームの曲をバンドで演奏したいとかそんな理由でバンドを始めたのだが、

そこでもやはりコレクターとしての性分が発揮されてしまった。

 

社会人になってからも会社のクラブ活動などでバンド活動を続けていた私。

自分が自由にできるお金を得た事で、機材に対する出費は年々大きくなっていった。

 

そんなある日の事、日課であったヤフオク漁りをしていると、

とあるエフェクターが安く出品されている事に気づいた。

それは「KLON CENTAUR GOLD LONG TAILS」である。

 

KLONはメーカー、CENTAURは日本語で言うところのケンタウルス、このエフェクターの名前である。

GOLDは金色を示していて、ケンタウルスは金と銀の2種類がある。

最後のLONG TAILSは筐体に書かれているケンタウルスの絵の種類を示していて、

尻尾が長い事からこう呼ばれている。作製されたタイミングによっていくつかのパターンを持っている。

 

このエフェクター、ギターを弾く人間の間ではそれなりの知名度を持っており、

とても良い音を出す機材だが、希少であるため高額で取引をされている。

私が好きなアーティストも使っていた時期があるようで、

そのアーティストのバンドスコアでその存在を知った。

 

そんな物品が安く出品されているのを発見した私は、迷うことなく入札し、

無事落札することとなった。

楽器の音を文章で表現するのは私には難しいので、ここでは割愛する。

このケンタウルスだが、先に記述したように見た目上のバリエーションが多数存在する。

電子回路の構成すらパターンがあるのだが、さらに個体差も大きいと評されている。

 

としたら、集めるしかないわけである。

 

というわけでその最初の1台を皮切りに現在5台を所有している。

そのなかでも一番高額であったのがSILVERのLONG TAILSでFAX ONLYである。

FAX ONLYとは、裏蓋にそのように記述されているためそう呼ばれているのだが、

簡単に言うと初期に近い個体であるという意味である。

ちなみに、ここまでいろいろな呼称が出てきているが、

メーカー名とエフェクター名以外はユーザーの間でのローカルルールと認識している。

 

そんなSILVERのFAX ONLY、ものすごくいい音を出していたのだが、

ある時突然エフェクト音を出さなくなってしまった。

初期タイプは内部の昇圧ICが弱いらしく、故障の事例も多いらしい。

壊れてしまった事はとても残念だが、いつか時間のある時に修理して、

またあの音を出せたらよいと思っている。

電子工作もまた、私の趣味である。

 

なお、最新のTHE EFFECTOR BOOK Vol.48はこのCENTAUR特集なので、

興味がある方は是非。

 

The EFFECTOR BOOK Vol.48 (シンコー・ミュージックMOOK)

The EFFECTOR BOOK Vol.48 (シンコー・ミュージックMOOK)

  • 発売日: 2020/06/15
  • メディア: ムック